大阪大学大学院理学研究科附属基礎理学プロジェクト研究センター大阪大学大学院理学研究科附属基礎理学プロジェクト研究センター

「(理学の響宴) しゅんぽじおん」とは
プラトン(Platon)著の『饗宴』で書かれた、科学者が集まり、議論をしかけ、話を膨らませ、『知への愛、フィロソフィア』を説く饗宴。堅苦しくない場でざっくばらんに話し合うことで、新たなアイデアを生み出そうという試みです.

 

 徐々に活性化状態へと高まっていった、第7回しゅんぽじおん(2018年11月12日)。今回は久しぶりの開催と相成ったわけですが、教員、学生ともに人数も集まり和やかな雰囲気から始まりました。今回のテーマは、「状態とは?」。登壇した藤原先生(数学)と尾田先生(物理)は、それぞれの分野における概念を武器に、このテーマに挑みました。  

 前半の藤原先生は、「状態」という言葉の定義からスタート。自然法則の発見を幾つかの部分に分け、数学的に分析していきました。その中で、「純粋状態」という言葉を巡り、物理と数学との間で議論が白熱。物理と数学とで「純粋状態」という言葉の定義が違うことによる見解の相違でしたが、教員同士の議論というものは、学生という立場からは新鮮でした。

 後半の尾田先生は古典力学と量子力学の比較からスタート。物理学的観点から「状態」というものが何であるか記述していきました。時々、定義の確認ややり取りがありましたが、しゅんぽじおんらしい光景でした。お酒のせいもあってか、参加者の口も思考もよく回っていました。

 今回のしゅんぽじおんは、登壇者と参加者が気兼ねなく議論を交わし場も盛り上がるなど、本来のあり方に一番近い回だったのではないでしょうか?これからも開催されるようなので、さらに参加者が増え議論が活発になって欲しいものです。

筆:藤井 匠平