大阪大学大学院理学研究科附属基礎理学プロジェクト研究センター大阪大学大学院理学研究科附属基礎理学プロジェクト研究センター

理研・理学研究科連携
プロジェクト拠点

研究者が蓄積してきた合成・単離技術を融合させ、世界最先端の理学研究を推進

本プロジェクトでは、国立研究開発法人理化学研究所が蓄積してきた構造解析技術と、大阪大学理学研究科の研究者が蓄積してきた合成・単離技術を融合させ、世界最先端の理学研究を推進してまいります。理化学研究所横浜研究所では、大型核磁気共鳴装置を用いたタンパク質や大型分子の構造解析が展開されてきました。また、大阪大学理学研究科ではこれまで入手困難であった機能性高分子や天然有機化合物を合成する技術を蓄積してきました。これら双方の持つ世界トップクラスの技術をもとに、未開拓の科学領域や創薬分野へと挑戦してまいります。

特色 FEATURE

核磁気共鳴装置を用いた世界トップクラスの構造解析技術が可能となります。

通常では入手困難な機能性高分子や天然化合物を自在に合成することが可能です。

高分解能質量分析装置によってこれまで以上の精密な分析や解析を実施できます。

解析技術と合成技術の融合により、基礎研究だけでなく創薬分野においても大きな貢献が期待されます。

代表者

梶原 康宏

成果 RESULTS

研究成果

これまで入手不可能であった生体分子を化学的に精密合成する技術を開発

生体内にはたんぱく質や糖質、脂質など多くの有機化合物が存在し、これら分子が互いに相互
作用しながら適切に働くことによって我々生命が保たれています。生体分子がどのように働いているのかを詳細に調べるために、目的とする化合物を手に入れる技術が重要です。本プロジェクトでは、たんぱく質製剤として用いられているエリスロポエチンやペプチドグリカンといった免疫関連物質など、これまで入手不可能であった生体分子を化学的に精密合成する技術を開発してまいりました。さらに手に入れた化合物を詳細に構造解析してその機能を明らかとするなど、蓄積してきた技術を活かして未解明の分野に挑戦してまいりました。また、これら合成技術の対象は天然物だけにとどまらず、多数の機能性高分子も開発してきました。シクロデキストリンを用いた光刺激応答性高分子の合成など、幅広い分野にわたって世界トップクラスの研究を展開しています。

高分解能質量分析装置
高分解能質量分析装置
今後の発展

未知の生命現象を解明したり新たな機能性分子を創生したりすることが期待できる

分析技術の発展とともに研究対象はより詳細かつ複雑な領域へと変化しています。高度な核磁気共鳴装置の開発や解析技術の進歩によって、細胞表層膜上での分子の動きや分子間での相互作用など、より生体環境に近い状態で分子の動きを観測できるようになってきています。 また、本プロジェクトにも導入された超高分解能質量分析装置もこれまでにない次元での精密分析を可能とします。理化学研究所と大阪大学理学研究科がそれぞれ培ってきた解析・合成技術を融合させることで、未知の生命現象を解明したり新たな機能性分子を創生したりすることが期待できます。それぞれが持つ強みを十二分に生かすことで新たな研究分野を開拓し、最先端の理学研究を推進してまいります。