Instrumentation

現在稼働中の当研究室所有の装置

infiTOF-UHV(MSI.TOKYO社製)

当研究室で開発したマルチターン飛行時間型質量分析計MULTUMの技術を移転して設立したベンチャー企業MSI.TOKYO(株)で製品化した小型マルチターン飛行時間型質量分析計.現在は主に,土壌から発生するガスの分析や検出器開発の評価などに使用.
この装置のプロトタイプ機が数台あり,イオン源開発や,システム開発などに使用.

JMS-S3000 (JEOL製)

当研究室で開発したMULTUMをベースに,MULTUM部をらせん軌道にしたスパイラル型のMALDI-飛行時間型質量分析計.
イメージング質量分析や,MALDIイオン化条件の最適化に用いるとともに,共用機器として,他の研究グループとの共同研究などに使用.

JMS-T100LP

リフレクトロンタイプの液体クロマトグラフ-飛行時間型質量分析計.
現在は,データ取得システムの開発や,大気圧イオン源の開に用いるとともに,共用機器として,他の研究グループとの共同研究などに使用.

JMS-HX110/110 (JEOL製)

当グループで開発したCQHをベースに市販化されたHX110を2台直列につなげた(タンデム)大型の磁場型質量分析計.1980年代から90年代にタンパク質の構造解析を行うために開発された装置.現在盛んに行われているプロテオミクスはこの装置なくして誕生しなかった.蛋白研の高尾研から2017年に移管.

JMS-Q1000GC (JEOL製)

ガスクロマトグラフ – 四重極質量分析計.現在は主に,歯肉溝浸出液や唾液を測定し,代謝物を網羅的に分析するメタボロミクスにより,歯周病態を表すバイオマーカーを探索する研究に用いている.

当研究室で開発してきた装置たち

Bainbridge – Jordan型

1939年に完成した日本初の質量分析装置.
淺田常三郎らによって製作された.1936年のPhys. Rev.に掲載されたハーバード大のBainbridgeとJordanの論文を見て,同じ光学系の装置を製作した.
電磁石部のみ現存しており,国立科学博物館で保管されている.

Ogata – Matsuda型

Ogata – Matsuda型

緒方・松田らによって開発された.

1951年に完成.分解能90万を達成.

1961年の第二室戸台風時に中之島で水没.

1964 年に豊中に移動して改良型を再製作する.分解能40万~50万を常に達成していた.

大分散質量分析器r-1

松田により開発された.非一様磁場(r-1磁場)を分散磁場(収束作用が全くなく質量分散作用のみをもつ)に用いて,大きな質量分散を得た装置.
トロイダル電場,r-1分散磁場,一様磁場からなり,写真乾板を用いて質量分解能120万を達成した.これは磁場型としては現在でも世界最高の質量分解能である.
教養部物理棟5Fで保管・展示されていたが,阪神大震災で磁場などが台座から崩れ落ちた.現在は,バラバラの状態で国立科学博物館に保管されている.
松田はこの業績で,仁科賞を受賞した.

おろち

緒方が開発.1969年完成.原子質量を10-9 のオーダーまで正確に決める目標をもって開発された,超大型装置.大分散を得るために大きな装置を作りたいが,設置場所や工作機械の問題があったために,当時としては斬新な,2重収束質量分析装置を2台直列につなげた装置となった.

二次二重収束質量分析計 CQH

松田が開発.短寿命核の測定用に開発し,その後FDやスパッターイオン源を用いて有機化合物や生体高分子,金属クラスターの分析を行ってきた二重収束質量分析計.円筒電場(cylindrical electric sector field)と四重極レンズ(quadratic-filed lens)と一様磁場(homogeneous magnetic sector field)からなる.電場と磁場の間に四重極レンズをいれることで6個の二次収差係数を小さくしている.また四重極レンズをいれることでy方向の収束性が生じ,磁場間隔が狭くても透過率をあげることができる.1975年に目標分解能3万達成.その後1976年の論文では24万達成.
現在は理学H棟地下の実験室に保管.
日本電子株式会社のJMS-HXシリーズや,高感度高分解能イオンマイクロプローブ(SHRIMP)のプロトタイプ.

二重収束質量分析計 GEMMY

1988年に当時の教養部の物理棟の新築にともなって開発した超大型の二重収束質量分析計.CQHにより生体高分子の測定に質量分析が有用であることが明らかになったため,タンパク質などの高分子量試料の測定を目的として開発.磁場の中心軌道半径1.25m,最大磁場強度1.8T,電磁石の重量9t,装置全体の飛行距離7mの大型装置である.分子病診断などの研究に用いられた後,金属クラスターの分析に用いてきた.2004年に,共通教育物理棟から理学研究科H棟に移動するにあたり,移設費用が高額であったため移設ができず廃棄.

六重収束飛行時間型質量分析計

櫻井が開発.
4つのトロイダル電場で六重収束を満たしている.直径40cmの真空容器内で1.7mの飛行距離を得て,質量分解能2000以上を達成.
MS/MS/MSスペクトルを得ることにも成功.

マルチターン飛行時間型質量分析計