研究内容

主な研究内容

イオントラップ/飛行時間型質量分析計を用いた分子イオンの光解離反応およびイオン分子反応の研究 (平成5年〜現在)

イオントラップを用いると,イオンを真空中に孤立した状態で長時間蓄積しておくことができる.自作したイオントラップを用いて,イオンの光解離やイオン分子反応を観測することで,孤立した状態のイオンに関する知見を得ることを目的に研究を行なっている.大阪府立大学の岩本賢一助教との共同研究.

  • 二原子分子(ヨウ素)や色素の光解離(J. Phys. Soc. Jpn, 66 (1997), 1321-1323)
  • 金属クラスターとクラウンエーテルのイオン分子反応(Japanese Journal of Applied Physics, 43 (2004), 7282-7286,J. Chem. Phys., 123 (2005), 024314).
  • イオントラップと飛行時間型質量分析計の接続(Eur. J. Mass Spectrom., 15 (2009), 249-260)

Transfer matrix法による電磁場中のイオン軌道および飛行時間シミュレーションプログラムの開発(平成6年〜現在)

高性能質量分析装置を開発するためには,高精度でイオン軌道をシミュレーションする技術が必要不可欠である.大阪大学ではトランスファーマトリックス法による三次近似イオン軌道シミュレーションプログラムTRIOを開発し,30年以上にわたって装置の設計/評価に用いてきている.TRIOへの機能追加を行っている.

  • 重畳場で縦・横両方ともに3次近似で求めることができるトランスファーマトリックスを求める(Int. J. Mass Spectrom. Ion Processes, 146/147 (1995), 217-222)
  • イオン軌道を視覚的に表示するソフトウェア「TRIO-DRAW」の開発(Nucl. Instrum. Meth., A427 (1999), 375-381)
  • JAVAによるイオン軌道視覚化ソフトウェア「TRIO 2.0」(Physics Procedia, 1 (2008), 325-332)

小型・高分解能マルチターン飛行時間型質量分析計の開発(平成8年〜現在)

マルチターン飛行時間型質量分析計については「こちら」に詳しい説明があります.

月探査計画SELENE2への搭載を計画していたの質量分析装置の開発(平成11年〜平成18年)

月探査SELENE2に搭載を計画していた小型Mattauch-Herozogタイプ質量分析器の開発.NASDAの大竹さんとの共同研究.(J. Mass Spectrom. Soc. Jpn., 49 (2001), 69-73)

内分泌攪乱物質測定用高感度ガスクロマトグラフ質量分析装置の開発(平成12年〜平成17年)

内分泌撹乱物質を高感度に測定するための位置検出器を搭載した二次収束質量分析器の開発.戦略的創造研究推進事業 CREST 研究領域「内分泌かく乱物質」, 研究課題「高感度質量分析計の開発と内分泌. かく乱物質の分析」(代表者:交久瀬五雄)で行った.(Environmental Sciences, 11 (2004), 15-24)

タンデム飛行時間型質量分析計の開発(平成15年〜現在)

マルチターン飛行時間型質量分析計を一段目,二次曲線場イオンミラーを二段目に採用したタンデム飛行時間型質量分析計です.プリカーサーイオンを高分解能で選択し,Heなどのガスと衝突させることで解離させます.衝突エネルギーが20keV程度なので,高エネルギー衝突誘起解離が起こります.解離により生成したプロダクトイオンは全質量範囲にわたって同時に高い分解能で質量分析できます.Warwick大学のPeter Derrick教授のグループとの共同研究です.

  • Warwick大学に滞在中に開発したタンデム飛行時間型質量分析計(Eur. J. Mass Spectrom., 11 (2005), 181-187)
  • 帰国後に科研費により大阪大学で開発したマルチターンタンデム飛行時間型質量分析計「MULTUM-TOF/TOF」(Rev. Sci. Instrum.,78 (2007), 074101)
  • 科学教育機器リノベーションセンター 革新的研究教育基盤機器開発整備事業プロジェクトで開発
    • UV-MALDI,IR-MALDI,ESIイオン源仕様の3台を学内供用

電子移動解離に関する研究(平成17年〜現在)

大阪府立大学の早川教授と共同で,アルカリ金属から多価イオンへの電子移動による解離に関する研究を行なっている.磁場型装置(JMS-HX110)での実験結果を踏まえ,タンデム飛行時間型質量分析計にこの技術を適用している(Eur. J. Mass Spectrom.,16 (2010), 551-556)

投影型イメージング質量分析装置の開発(平成16年〜現在)

戦略的創造研究推進事業 CREST 研究領域「物質現象の解明と応用に資する新しい計測・分析基盤技術」, 研究課題「超高分解能高速イメージング質量分析技術(質量顕微鏡)の構築」(代表者:内藤康秀)で実施し,現在も引き続き開発を進めています.マルチターン飛行時間型質量分析計の完全収束性をいかした投影型のイメージング質量分析計「MULTUM-IMG」で,空間分解能1um,質量分解能1万以上を同時に達成できる世界最高性能の装置です.
こちら」に詳しい説明があります.

外部資金獲得状況